4.物理学的疑問、質問


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4.物理学的疑問、質問

a.海の色は何故青いのですか?

これに対する説明としては、イメージの説明と、光の反射による物理的説明があります。

イメージの説明としては「空の青と仲良くする為です。」

科学的説明としては「海の青色は空の青色を反射しているのです。曇ったり雨で空が暗い時は、海の色も暗い(鉛色)でしょ!」

b.「晴れた昼間の空は何故青いのですか?」「晴れた夕空は何故赤いのですか?」

太陽光は赤から青(紫)迄、波長の違うさまざまな光を含んでいます。
そのうち、波長の短い青色の光は、空気中の微粒子に散乱されるから、晴れた昼間の空は青色になります。反対に、波長の長い赤色の光は、空気を透過する力が強いので微粒子に散乱されることなく地上に到達します。
反対に、沈むころの太陽から出た光(夕日)に含まれる光の中で波長の長い赤い光だけは水平方向の厚い大気をも透過して我々の目に入ってくるのです。
だから晴れた日の夕空は赤く見えるのです。

(実験してみよう)
細長い透明な筒の一方の端に栓を詰め、栓を詰めた方を下にして水を入れて、他方の端から水の中に牛乳を一滴落とします。
牛乳の微粒子が全体に拡散してきたところで、筒の上の端から懐中電灯の光を当てると、筒の上の方は微粒子に散乱されやや青白く光り、筒の懐中電灯の反対側(=下側)は水中でも透過力のある波長の長い赤い光が水中の微粒子に散乱されることなく奥まで届いてやや赤く光ります。

c.虹は雨上りの空に太陽と反対の方向に出るのは何故ですか?

→虹は雨上がりの空に残る水滴に太陽光が反射、屈折してできるものだから立っている人から見て太陽と反対側に出るのです。

では虹は何故七色に分かれるのですか?
→虹は太陽光が雨滴に反射、屈折してできるものです。(前述)
太陽光は全体としては白く見えますが実は様々な波長の光によって成り立っています。
この為、光が反射、屈折してできる虹は波長の違いによって様々な色に分かれて見えるのです。実は七色と言わず波長の違いによってその中間色も様々あるのです。たくさんある色を全体として七色と言っているのです。
因みに虹の上の方に見える色は波長の長い赤、下の方に見える色は波長の短い青(紫)です。赤色の上にあるはずの赤外線と紫色の下にあるはずの紫外線は人間の目には見えません。

d-(1).「スプーンの内側(凹んだ部分)に映る自分の姿は、何故、上下左右逆さなのだろう?」

<実験してみよう>
(光がスプーンの上側を水平に進んで来て)球面の内側上部に反射した後は、焦点を通って下に抜けます。
また、下側を水平に進んで来た光は球面の内側下部に反射した後は、焦点を通って上に抜けます。
左右も同様反転するので、全体として上下左右反転して映るのです。

d-(2).ではスプーンの外側(凸の部分)に映る自分の姿は何故正立像になるのですか?

光が水平に進んで来て、スプーンの外側上部に反射した後は内側(凹部分)にある焦点Fから出たように進み、さらに上側に抜けます。
また、下側から水平に進んで来た光は鏡面に反射して内側(凹んだ側)にある焦点から出たように進むため、さらに下に抜けます。左右からきた光も同様です。
この為、上下左右反転せず正立像が見えるのです。

e.「風呂に入って、湯に付けた自分の腕が折れ曲がって浮いたように見えるのは何故?」

<実験してみよう>
空の皿の中央にコインを置き、そのコインがギリギリ見えなくなるまで後ろに下がります。

ギリギリ見えなくなったら、その位置(コインがギリギリ見えない位置)に立ったまま動かないで、誰かにやかんに入れたお水を皿に注いでもらいます。すると今まで見えなかったコインが見えてきます。

何故だろう?
水の中のコインから出た光が水から空気に出るときに屈折して、その屈折した光が人の目に入ってくるからコインが見えるようになるんだよ。
水中の腕が折れ曲がって見えるのも水中にある自分の腕から出た光が水面で屈折して、屈折した光が自分の目に届くからだよ。

f.「シャボン玉は何故丸いのですか?」

<実験してみよう>
シャボン液を丸い針金につけて吹くと丸いシャボン玉ができます。
では三角形や四角形の針金にシャボン液をつけて吹くと三角形や四角形のシャボン玉ができるのでしょうか?
否!!丸い形のシャボン玉しかできません。
何故だろう?
シャボン玉はシャボン液の薄い膜でできている。~これは表面張力が働くから。~
表面張力は最小限の力により表面積が最小で、かつ体積が最大のものをつくろうとする。
表面積最小で体積最大のものは球であることから三角形や四角形の針金からも球体のシャボン玉しかできないのです。

g-(1). 襖の障子の下桟=溝にビー玉を等間隔に置き、右(左利きの人は左でも良い)端の球を強く弾くと、玉は転がって次の(二番目の)ビー玉にあたる。衝突した玉とされた玉はどのような動きを見せるのか?

仮説を立てると
①ぶつかった玉とぶつけられた玉は揃って、強い勢いでぶつかった玉と同じ方向に転がる。

②ぶつかった玉はぴたりと止まり、ぶつけられた玉はぶつかった玉と同じ勢いで(ぶつかった玉と)同じ方向に転がっていく。

実験結果は②になります。

g-(2).では次に、玉を二つ向かい合わせて右の玉を強く弾き、左の玉を弱く弾くとどうなるか?

仮説を立てると
①衝突後は強くぶつかった玉の動く方向と同じ方向に二つの玉は動く。

②強く衝突した玉は、弱く衝突した玉の来た方向と同じ方向に、弱い勢いの玉と同じ弱い勢いで、もと来た道を戻っていく。弱い勢いの玉は衝突後(強い勢いの玉と同じ)強い勢いとなり、もと来た道を戻っていく。

正解は仮説②となります。

g-(3). 実験g-(1)、g-(2)を通して、ぶつかった玉とぶつけられて玉との間で、エネルギーの交換が起きていることが解ります。では、次の事例はどうなると考えられますか?

「弱い勢いで転がる玉の後から強く弾かれた玉を追突させるとどうなりますか」
玉と玉の間でエネルギーの交換が起きるとすると、弱い勢いの玉は強く追突した玉のエネルギーをそのままもらって、衝突後は強い勢いで前に転がる(はずです)。
強い勢いでぶつかった玉は、弱い玉のエネルギーをもらって弱い勢いでそのまま前に転がる(はずです)。

以上、予想(仮説)を立てて楽しくどんどん実験して(実験的)思考力を伸ばして下さい。

尚、昔のビー玉と異なり近頃百均等で市販されているビー玉は、材質が不均質で、上記の実験がうまくいくとは限らないことに御注意ください。

ビー玉を衝突させる問題は近年、某有名私立中学入試理科の問題として、ここで述べた事例が問題として数問出題されました。
衝突によって各々ビー玉の持つエネルギーが互いに交換されるという物理的本質が分かっていれば、全問正解できます。

遊びの中に学びがあるとはこのことです。
真剣な遊びで学びの本質をつかみましょう。

h.独楽(こま)の原理

こまを回してそれを手(又は平らな板)で受けてそのまま手(又は板)の上で回します。
回しながら独楽が乗っている手(又は板)を左や右に傾けたり、前や後ろに傾けたりしても独楽自体は手(又は板)と一緒に傾かないではじめのまっすぐな姿勢は崩れません。なぜですか?

ニュートンの慣性の法則(運動の第一法則)と言われる性質で、独楽が乗っている手(や板)がどのように傾いても独楽自体は傾かずにはじめの姿勢を保ち続けようとします。
独楽を回転させてその軸が空間に対して一定の方向(例えばりゅうこつ座の一等星カープスの方向)を保つようにした装置はジャイロ・スコープと言われ、人工衛星の姿勢制御に使われたりします。

i.達磨(ダルマ)落とし

達磨落としで飛ばされた部分の上にある部分は一緒に飛ばないで下に(そのままストンと)落ちるのはなぜですか?
→達磨落としの時、水平方向に力を加えられた部分はニュートンの運動の第二法則(運動方程式 F=ma、Fは力、mは質量、aは加速度)により水平方向に飛んで行きます。
しかし力が加わっていない上の部分は同じニュートンの運動の第一法則(=慣性の法則…静止している物体は力を加えない限りそのまま静止しようとする性質)により(力を加えられた部分と)一緒に飛んで行きません。
しかし上の部分はそれまで支えてくれていた下の部分が飛んで行った為に下から支えるものがなくなります。
そこで上の部分には重力によって垂直下方向に引っ張られ(上記ニュートンの運動の第二法則=運動方程式 ここではF=mg gは重力加速度)その位置からストンと下へ落ちるのです。
(注)同じ運動の第二法則(運動方程式)でも達磨を打つ力は水平方向に加えられるのに対して、達磨の上の部分を下にストンと落とす力(重力加速度)は垂直下向きに働く違いがあります。

j.遠心力

鉄道のレールや、車のレース場、競輪場のカーブではなぜカーブの内側が低く外側が高くなっているのですか?
→カーブしているところを運動する物体(電車、車、自転車)には遠心力(=慣性力の一種)が働きます。
この遠心力によって物体は外側にずれて行こうとします。
そこでこれを防ぎ、カーブに沿って物体を運動させる為にカーブの内側を低く外側を高くしているのです。

遠心力を利用する機器には遠心分離機、遠心脱水器等があります。
遠心脱水器は洗濯した衣料を脱水器に入れて脱水器を回転させると水分が遠心力によって外側にはじき飛ばされて脱水効果が生じるのです。
因みに遠心力は回転の中心から反対側に働くのではなく回転の接線方向に働く(見かけ上の)力なのです。
ハンマー投げや円盤投げをよく観察してみて下さい。

k-1.水が洗面台の中で流れ落ちる時、渦を巻きながら落ち込むのは何故ですか?

これはコリオリの力と呼ばれるものですが、コリオリの力を厳密に理解する為には、大学で学んで高等数学と物理学の力を身につけなくてはなりません。
そこで、ここでは数式を用いないでわかりやすく説明したいと思います。

物体(ここでは水)は慣性系(ニュートン力学が成り立つ座標系)の上で当たり前の運動をしているつもりなのに回転している台=地球の上に乗った人から見るといかにも物体(水)が、回転運動+その当たり前の運動+遠心力の働く運動 をしているように見えます。
物体(水)は自分はまっすぐに落ちているつもりなのに地球と地球に密着している洗面台でその脇に立つ人が回っているせいで(人から見ると)水が回っているように見えるのです。
その他、長い振り子を振っているとほんの少しずつずれて行く現象もコリオリの力によるものです。
(国立博物館に実物がありますので観察して下さい。)

k-2.ではその水が左回り(反時計回り)に回りながら流れ落ちるのはなぜですか?
(この質問をするお子様は観察眼がすごいと思います)

上式を参考に考えてみて下さい。
地球は西から東に自転しているので北半球では左回りに流れ落ちるのです。
(南半球ではその逆で右回りです。南半球に旅行したら試して下さい。)
また北半球を北上する台風(学名はタイフーン。他にカリブ海を北上するハリケーン、ベンガル湾を北上するサイクロン)は全て左回りに台風(=低気圧)の中心に向かって流れ込むのです。
これも気象衛星の天気図(左回り)をテレビで確かめることができます。

l.もしも自分が光と同じ速度で走ったらどんなことになるのですか?
手鏡を持って光と同じ速さで走ったら自分から出た光は鏡に届かなくなり、自分の姿は鏡から消えるのですか?
(この疑問はアインシュタインが子供の頃持っていた疑問と同じです。アインシュタインはこの疑問を解く為に、子供の頃思考実験を繰り返しました。)

結論から言うと人の走る速度が光の速度に近づいても光はその人から更に光速(真空中で秒速30万km)で遠ざかります。
このことは自分が走らずに静止している時に手鏡を持つとその手鏡に自分が映るのと変りません。

英国の物理学者J.マクスウェルが導いた電磁波の波動方程式によりますと

電磁波の波動方程式
(Eは電場、Bは磁束密度、εoは真空中の誘電率、μoは真空中の透磁率)

この方程式は偏微分方程式なので解く為には境界条件を与える必要がある他、大学数学の実力が必要になります。
(解き方をお子様に説明する必要はありません。)

しかしこの式を解くと電磁波及びその一種である光の速度(光速)=30万km毎秒という値が求められます。

ここで重要なのはこのように光速度は計算によって求められるということです。
計算で求められる以上、どんな座標系から見ても(どんな速度で運動している人から見ても)光速は常に一定と考えられることです(アインシュタイン)。

よって光速に近い速度で運動している人からみても静止している人から見ても(まったく異なる座標系から見ても)光速は30万km毎秒で、一定なのです。
尚、光速度30万km毎秒はマイケルソンとモーリーの実験によっても確かめられています。

ここで光速度が一定であるならば、運動をしている物体に流れる時間は遅くなります。(アインシュタインの特殊相対論的効果。)

この時の座標変換に従来のガリレイ変換を行うとマクスウェルの方程式の形が変わってしまう為に座標変換にガリレイ変換式を用いることはできません。
マクスウェル方程式(電磁気学の基本法則で電磁波の一種である光にも適用あり)を変えないためにはガリレオ変換(式)ではなくローレンツ変換(式)が必要になります。(後述 カーナビの項参照)
(ローレンツ変換の名が付いていますが、ローレンツ自身は何故この変換式が成り立つかを説明できませんでした。)

その理由を明らかにしたのがアインシュタインの特殊相対性理論なのです。

尚ローレンツ変換による時間の遅れとアインシュタインの特殊相対性理論はこの後のカーナビの項に一般相対性理論に基づく重力場方程式と共に若干の説明を加えておきます。

m.カーナビは何故あんなに正確に車の位置を教えてくれるのですか?

カーナビには車の位置を正確に表示する為に、GPS装置(グローバルポジショニングシステム)を積んだ人工衛星(複数)から発信する電波を受信する装置(GPS受信機)が装着されています。
GPS衛星から発信する電波をこのGPS受信機で受信して電波の発信と受信との時刻差に電波の伝播速度(光速)を掛けることによって、その衛星からの距離がわかるのです。

この距離を正確に測る為には正確な発信時刻と受診時刻がわからなくてはいけません。
ところが地球上空を高速で周回する人工衛星に流れる時間は地球上にある車に流れる時間に比べて遅くなるのです。(アインシュタインの特殊相対論的効果)
この場合の座標変換には従来のガリレイ変換ではなく、ローレンツ変換によらなくてはなりません。
☆ ガリレイ変換式… x=x’+vt
この式を時間tで2度微分すると

どちらの座標からみても加速度aは同じになります。

よってニュートンの運動方程式(=運動の第二法則)はガリレイ変換に対して不変で、f=maと書けます。
しかしガリレイ変換はマクスウェル方程式(前述。電磁波の基本法則で光にも適用されます。)に対しては不変とは言えず、マクスウェル方程式を変えない為にはローレンツ変換式が必要になります。
(ローレンツ変換式の導き方は複雑なのでここでは省略します。)

ローレンツ変換による時間の遅れ(=ローレンツ収縮)は1-β2。ここでβ=v/c(v=人工衛星の速度、c=光速度)

(ローレンツ変換による時間の遅れ1-β2ここでβ=V/C(V=人工衛星の速度、C=光速度)

次に地球上空2万kmを周回する人工衛星にかかる重力は地球上にある車にかかる重力より小さいので、人工衛星に流れる時間よりも地球表面上にある車に流れる時間の方が遅れます。(アインシュタインの重力方程式が記述する一般相対論的効果)。
以上の特殊相対論的効果による(時間の)遅れと一般相対論的効果による(時間の)遅れを差引計算すると人工衛星に流れる時間は地球上にある車に流れる時間よりも(1秒間につき)100億分の4.5秒早く流れます。

そこで地球上にある車に流れる時間に合わせる為に人工衛星には(1秒につき)100億分の4.5秒遅れる原子時計を積載しているのです。

この原子時計は水晶(クオ-ツ)時計よりもはるかに正確でその為にカーナビ積載車は自分の位置を正確に知ることができるのです。